高田馬場のビッグボックスがマッチ箱のように見える辺り、裏には神田川が流れている商店街。20年ほどに急発展し1,2階に店舗を構えるビルが林立している。その一軒に昔の味に固執し、先祖伝来の製造法を守って細々とのれんを張っている豆腐屋の野沢家と、江戸以来の老舗うどん吉ののれんを捨て屋号を変え、ピザ店にした桜木家がある。喧嘩と和解を繰り返すこの二軒。家族中のお荷物を引き受けてしまう豆腐屋次男と、強気なピザ店の確執をホームドラマとしてユーモラスに描いている。
渋沢栄一の生涯を描いた城山三郎の同名小説から、青年時代を中心に脚色した長編。武州血洗島(現在の玉県深谷)の農家のひとり息子に生まれた渋沢が尊王攘夷、討幕思想をもて行動する姿の中に、したたかな農民気質を描いている。ドラマは討幕を志した栄一が奇縁から最後の将軍慶喜に仕え、さらに明治**にとりたてられるまでを描くが、とくに前半は栄一の行動を追うのに急で、人間栄一像が薄くなたのが惜しまれる