『週刊ポスト』で連載された園山俊二の同名コミックを原作とするサラリーマンアニメ。日曜の夜10時台に放送という、明確に大人をターゲットとした作品であり、内容も相応に高年齢層を意識している。祖先に華族を持つ男綾路地麻朱麿呂(あやのろじましゅまろ)……名前こそ大層だがその実像は一介のサラリーマン係長。会社で平々凡々とした日々を過ごすが、いつかは出世したい、そんな願いを心に秘めて花の係長は仕事に向き合うのだった。本作はザスパイダースの一員だったミュージシャンかまやつひろしが本作の歌曲を手がけている点も特筆。製作はトムスエンタテインメント(当時は東京ムービー)が担当し、1981年には同様のスタッフやキャストによる劇場用アニメ『まんが 花の係長』も登場した。
放映年である1972年にドイツ(当時は西独)ミュンヘンにて行われたオリンピックに出場する、男子バレーボール日本代表の奮闘を描いた作品。東京五輪にコーチとして帯同し銅メダル、4年後のメキシコ五輪では監督として赴き銀メダル。バレーボール全日本を率いるその松平康隆氏が次に成し遂げるであろう偉業に、日本人はオリンピック開幕前から固唾を飲んで見守っていた。実際に試合をする各選手たちは、どんな想いを抱いて日々の厳しい練習に打ち込んでいるのか? その軌跡を追っていく。練習風景は実写によるドキュメント、選手の実像に迫るエピソード部分はアニメを用いて描かれている。なお、見事ミュンヘンにて男子バレーが金を獲得したこと記念し、総集編的な内容の特番が放送終了後しばらくして製作放映された。
数奇な運命に翻弄されながらも歌手になることを望む主人公峰のぞみの物語を描いた青春アニメ。アニメ作家藤川桂介と漫画家のすずき真弓が少女コミック(当時は週刊少女コミック)で連載していた漫画が原作でもある。下町にあるおでん屋の娘峰のぞみと、大財閥の令嬢香田美紀はともに歌手を目指す10代の少女。実は、二人は十数年前の出生時に互いの立場を入れ替えられていた関係なのだが、そうとは知らない両者は互いをライバル視する。美紀が財力で芸能界にデビューした一方、酒場で歌唱を続けるのぞみ。日本各地をさまよいながらも、のぞみの歌はいつしか人々の心を魅了し……。本作の製作は虫プロが担当。同社のプロデューサーだった岸本吉功は、本作のメインスタッフである富野由悠季(当時は富野善幸)や安彦良和、星山博之らと、後年に設立したサンライズ(当時はサンライズスタジオ)で一緒に仕事をし...
ストーリー
魔法使いチャッピーのストーリー画像1
魔法の国の少女チャッピーは、魔法の国での生活にすっかり飽きて、人間の世界に行きたがっていた。だが、魔法の国に伝わる人間の世界の話は恐ろしいものばかり、魔法使いだと分かれば、たちまち火あぶりにされてしまうはず!
止めようとするパパやママの言うことを聞かず、チャッピーは、祖父の宝物である魔法のバトンを持って、弟のジュンと一緒に人間の世界にやってきたからもう大変。
心配したパパとママまでついて来て、結局家族全員で人間界に住むことに! おまけにパンダのドンちゃんまでついて来るし。
でも、チャッピーのあこがれていた人間界は、平和で静かな魔法の国とは違ってて、公害や事故に溢れてたり、悪い人間たちがいたりと戸惑うことも多いけど、持ち前の元気と魔法のバトンの力で、今日も事件は解決!
解説
魔法使いチャッピーの解説...
1972年8月27日から同年11月26日までTBS系列の『不二家の時間』枠(日曜 19時30分 - 20時00分)で放送。日本テレビ動画とTBSの共同製作で、実制作は前番組『アニメドキュメント ミュンヘンへの道』から引き続き日本テレビ動画が担当した。全13話。
本作の制作主任であった下崎闊(真佐美ジュン)の回想によれば、チーフディレクターの正延宏三との仕事上のトラブルから下崎が8月末で制作主任を降りたことで立ち行かなくなり、当初の予定2クールのところ局発注額分の1クール分を作った時点で制作終了になったということである。安藤健二の調査では、第10話以降は日本テレビ動画の実質的な経営者であった渡邉清(別名新倉雅美)が「プロデューサー」のクレジットから消え、渡邊自身も1972年10月9日付で日本テレビ動画の取締役を辞任しており、何らかのトラブルの存在をう...
バカ田大学カレーライス研究会の後輩印度加礼夫君に出会ったバカボンのパパは、話を聞いているうちにカレーが食べたくなりダダをこねだした。仕方なくママはバカボンにルーを買ってくるよう頼むが、町中の店がお休み。本官さんからカレーは天竺(インド)が一番!と聞いたパパは、三蔵法師になりきって猪八戒のバカボンをお供に天竺へ旅立つのだった。
チビ太の孫悟空、イヤミの沙悟浄を仲間に加え、カレー探訪の旅は順調に進むかと思われたが、途中で性格の悪いトト子姫と眠れぬ森のダヨーンの争いに巻き込まれてしまい……。パパたちは無事に美味しいカレーにありつけるのだろうか!?
赤塚版『西遊記』の世界を『平成天才バカボン』と『おそ松くん』のオールスターキャストで描いた、前後編合わせて1時間のスペシャル作品。
フィンランドに伝わる「サンタクロース伝説」を主題に、フィンランドの四季の美しい景観も交えて描くメルヘンファンタジーのTVアニメシリーズ。フィンランドの森の奥深く。そこには「ヨールプッキ」(サンタクロースの正式名)と、彼に従う小人の妖精「トント」たちが住んでいた。一年に一度だけやってくるクリスマスのため、ヨールプッキとトントたちは世界中の子供たちに配るプレゼントを作ったり、トナカイの訓練をしたりして日々を過ごす。だがそんな彼らの日常にも、大小のいろいろな事件が……。製作は『ムーミン』『アルプスの少女ハイジ』の瑞鷹(ズイヨー)エンタープライズ。サンタクロースはクリスマス以外の日々に何をしているのかという着想がユニークな作品で、日本離れした愛らしいキャラクターデザインを担当したのは、実力派アニメーターの白梅進。
ギャグ漫画史上に燦然と輝く赤塚不二夫の代表作の3度目のアニメ化作品。1990年放送。一般常識から徹底的に自由なパパ、その息子でパパと一緒に遊び回るバカボン、やはり息子で天才児のハジメ、そしてそんな家族を優しく受け止めるママ。彼ら一家と、おまわりさんやレレレのおじさん、ウナギイヌなど近所の人々を巻き込んでのドタバタが描かれる。前作「元祖天才バカボン」が最初のアニメ化「天才バカボン」の続編だったのに対し、「元祖」終了から13年が経過している本作はスタッフキャストを一新(ママ役だけは不動の増山江威子)、「元祖」で確立した「バカボン=ギャグアニメならではのアナーキズム」というイメージを継承しつつも、より家族ドラマとしての印象を強めた平成ならではの新たなバカボン像を作り上げることに成功している。