米軍演習地で弾丸拾いをしていた大和ハル子は、東京で大学に通う兄の清輝をたずねて上京した。途中の貨車の中で家出娘のナツ子と知り合い、これから先の協力を誓い合った。上野に着いた二人は、三流週刊誌記者の相模慎太郎と知り合い、素性は判らぬまま信用して頼ることにした。兄貴の下宿にたどり着くと、三ヵ月も下宿代をためたまま行先不明。大学では彼は全学連の委員だからソ連に亡命したかもしれない、と言う。革新政党本部に行ったが、勿論らちはあかない。下宿のお内儀に泣きついて、ねぐらだけは確保した。翌日二人が東京見物をしていると、同じ村出身の兄貴の友人伊藤隆に逢った。景気がよいといばる隆に、ハル子が仕事を分けてくれと頼んでいると、隆の乾分の森家三平が「仕事だ!」といって飛んで来た。隆と三平のオートバイに二人が乗り込むと、後に続くオート三輪には体の情婦ユキや乾分の隆盛会の面々が...
このドラマのもとになった事件は、1959年の3月に外国航空会社の日本人スチュワーデスの死体が東京杉並区の川で発見されたことから始まった。その2ヵ月後の5月に被害者と交際があった外国人神父が重要参考人として事情聴取を受けた。だか、6月になって捜査の途中にもかかわらず、神父は病気療養を理由に突然帰国。事件は疑惑につつまれたまま、永遠に謎となってしまった。原作では、事件を追う刑事を主人公に、この事件からさらに10年前の昭和20年代にさかのぼり、密輸事件に関連させてストーリーは展開していく。今から25年前、1959年、皇太子御成婚の直前に、東京杉並区で外国航空会社スチュワーデス生田世津子(片平なぎさ)の他殺死体が発見された。警察の捜査線上に、世津子と親しかった神父トルベック(ジョンエクスティン)の名が浮かび上がった。捜査陣の一人、藤沢刑事(宇津井健)の主...