ザ偉人伝
江利チエミ、笠置シヅ子、淡谷のり子 ~人生を変えた歌~
時代を駆け抜けた昭和の歌姫、江利チエミ、笠置シヅ子、淡谷のり子。
敗戦によって自信を失くした男たちを尻目に、彼女たち三人は「歌」という武器で戦いを続けました。その姿に大衆は時代の変化を感じ取り、大きな喝采を送ったのです。人生を変えた歌、人生を変えた出会い……。歌姫三人の数奇な運命を紐解きながら、名曲誕生の裏側と波乱の生涯に迫ります。
出演インタビュー:服部克久、中村メイコ、司葉子、久保益己(江利チエミ弟)、中野章三(中野ブラザーズ)、亀井ヱイ子(笠置シヅ子長女)、亀渕友香、他
ナレーション:村上弘明
【江利チエミ】
笠置の「東京ブギウギ」を歌い、レコード会社のオーディションに合格した少女が江利チエミ。音楽家の父と舞台女優の母との間に生まれ、10歳の頃から米軍キャンプで歌を磨いた...
伴 次郎は銀座で貧乏暮らしをしながら画家を目指す青年。同居する音楽家志望の宮本修二の曲に詞をつけて口ずさむ。次郎の恋人秋田久子は銀座高級洋装店のお針子。次郎との結婚を望んでいたが、次郎が美術会社の就職を蹴ったのに落胆し別れを告げる。次郎は久子のため就職を決意。二人は次郎の故郷の信州に行くため、新宿駅で待ち合わせるが、久子は車にはねられたあと、姿を消してしまう。次郎は働きながら絵を描き、婦警の関口典子と久子を探し続けた。宮本は音楽をあきらめ、密造酒グループに加わる。ある日、次郎はデパートのアナウンス係をする久子を発見する。しかし彼女は井沢涼子と名乗り、過去の記憶を失っていた。次郎は久子の記憶を取り戻そうと奔走する。次郎の絵の個展が開かれる。宮本は以前次郎が描いた久子の肖像画を買い取っていたが、久子に肖像画を渡し自首する。久子は次郎が口ずさむ「銀座の恋の...
女子高校生の庄司トシ子(江利チエミ)、藤田まり子(夏亜矢子)、本間和子(黛ひかる)の三人は級友の古賀春子(環三千世)を訪ねて大阪にやって来た。無銭旅行のため往復の切符しかもたない三人は、小遣稼ぎに春子の父(花菱アチャコ)の会社の野球の応援に出かけた。勝てば思い通りのお小遣をもらえたのに、相手チームの清水(小泉博)の逆転ホーマーに敗れてだめになった。しかし会社の宣伝に役立ったお礼に、祇園見物をさせてもらった。トシ子たちはこのことを別府の級友江藤寿美子(団令子)に報せた。寿美子の返事で姉の雅子(扇千景)が大阪にいるのを知り、みんなで別府に行くことになった。神戸から出航した四人は、船中で清水や母校の先輩竹中に会った。トシ子たちは宿敵の清水に近づかぬよう、雅子に忠告した。四人は竹中から恩師枝川先生が九州阿蘇で新しい村作りをしていることを知って、みんなで訪ねる...
やがてやって来るオリンピックを前に、一獲千金を夢みて、人の心は躍る。そんな日本にアメリカの大富豪でマーカット食品会社の御曹司チャールスマーカットが秘書のケニーを連れてやって来た。彼はニッポンに三億ドルの資本投資を目的に調査旅行に来たのだった。スキヤキ屋“フジヤマ”に行ったチャールスは「スキヤキと芸者を呉れ」といってあわてさす。スキヤキ屋の長男でガイドの一郎が帰って来て、チャールスの身元を知った。“フジヤマ”は大騒ぎだ。良造のグッドアイディアのインスタントスキヤキがまず第一番のアイディアとなった。翌日美人ガイドはる子の案内で憧れの芸者屋にいった。そこで会社社長を知った。彼もパテント譲補の侯補者である。キャバレー“アフリカ”に行ったチャールスはキャバレー業者のピンク攻勢に合いこの人も一枚加わって来た。一方名古屋で珍商売で大繁昌の中川兼作も早速良造に頼...
十数年前、浅草六区で鳴らした松旭齋天花という女奇術師があった。本名を辻信子といい、大学の建築家の学生笠原史郎と恋仲になり、映子とマリ子の二人の子供までできたが、信子の母お直は笠原との結婚をどうしても許さないのであった。信子は相変わらず二人の娘を曲芸の種っ子に使って舞台に立っていたが、笠原が大学を出て建築会社へ就職した年、けがをして入院した映子を笠原の手に残して信子が北海道の巡業に出たのが最後となり、笠原の急な出征などがあって、この親子は二人ずつ別れ別れになって消息を絶ってしまった。終戦後、いち早く復興した熱海の町を流して歩く、三人組の芸人があった。信子とマリ子と、二人に同情するアコーディオン弾きの立川だった。ある日一軒の別荘へ呼ばれていった三人は、その家の立派さに驚いたが、信子はその家の美しい令嬢を見てさらに驚いた。映子だったのである。この家の主人は...