安政五年(一八五八)、徳川幕府は日米通商条約を結び、横浜開港を決めた。上州郷士出身の重兵衛は、商人の道を歩みながら佐久間象山の門に学び、火薬、砲術、医学、語学等の学問に秀いで、その秀才ぶりは同門の旗本勝海舟も一目置くほどであった。世界を相手に貿易することを目標とする重兵衛は、日本橋の店をたたんで横浜進出を決意する。幸い勝の取り計らいで、外国奉行岩瀬肥後守が便宜を図り、広大な土地を借り受けることが出来た。重兵衛はここに外国商館に引けを取らない豪壮な館を建築中であった。そんなある日、重兵衛はやはり横浜に店を移して来た品川遊郭『春月楼』の女将おらんに妻のおそのを店に預けて客商売のイロハを仕込んでほしいと頼む。それはやがて完成する館を世界の貿易商の社交場にし、おそのを華やかに会場を取り仕切る女主人にしようという構想からだった。そして館は完成し、銅瓦がま...
松本幸四郎が初の刑事役でドラマWにも初登場!原作は、直木賞受賞作家連城三紀彦の「人間動物園」。ある“誘拐事件”をめぐる、犯人と刑事達との壮絶な盗聴合戦。次から次へと浮上する容疑者たち。誘拐劇に隠された犯人の目的とは?本当は誰が“誘拐”されたのか?刑事はなぜ狙われたのか?愚直なベテラン刑事が誘拐事件の真相を解明するまでを、複雑に入り組んだトリックと二転三転の手に汗握る展開で描き出す。
監督は、映画『うた魂』『雨の町』の気鋭田中誠。ほか出演は、江守徹、高畑淳子、山本太郎、小島聖、三田村邦彦、東ちづる、永島敏行、新井浩文、佐藤藍子、温水洋一らオールスターキャストが勢ぞろい。物語の冒頭から張り巡らされた様々な“伏線”が、ラストの大どんでん返しに繋がっていく、驚愕のヒューマンサスペンス!
<ストーリー>
疑惑渦中にある次期首相候補の幼い孫娘が誘拐された。...
夜会の果て(やかいのはて)は1997年9月10日~10月15日まで22:00-22:45にNHK総合テレビ「水曜ドラマの花束」で放送されたテレビドラマ。全6回。
東京深川の材木商信濃屋の娘、滝子はふとしたきっかけで明治**の参議であり、北海道開拓使長官であり陸軍中将でもある薩摩藩閥の実力者黒田清隆と知り合い、請われるままに黒田家へ後妻に入る。しかし夫の清隆は酒乱で、酔った勢いで先妻を日本刀で斬殺したといった噂のある人物。さらに先妻の妹百子を養女として引き取り、半ば強引に夫婦の屋敷に住まわせるなどしたので、滝子の心中には二人の関係に対する疑念が生じる。その上、ある晩泥酔した清隆が帰宅して暴れ、挙句に屋敷内で発砲したことで結婚前には夫がきっぱり否定した先妻を惨殺した疑惑も再び頭をもたげてくる。
やがて内閣制度を創設し、自ら初代内閣総理大臣となった長州藩閥...