倉本聰の書き下ろし脚本。芸能ジャーナリズムに追いかけられる清純派女優と、サンドイッチマンを通して世相の一端を描く。大竹しのぶがスキャンダルに巻き込まれる新進女優を演じており、彼女自身の恋愛事件がだぶっているため、ヤジ馬的に見ると興味深い。サンドイッチマンのハチこと沢木八郎(萩原健一)は、売り出し中の女優、安西ユカ(大竹しのぶ)が恋人の男優にかけている電話を偶然聞いてしまう。ホテルで密会する約束の電話だった。ハチは子供が入院して金を欲しがっている友人のルポライター、泉(火野正平)にこれを教えた。ユカはたちまちマスコミのえじきになる。ハチの父親が作るガラスの知恵の輪が象徴するもろさとやさしさが、作品を貫いており、ドラマの完成度も高い。萩原、大竹ともに持ち味を生かして好演。最初は興味本位に見ていても、次第にドラマそのものに引きこまれるだろう。【以上、毎日新...