保険会社に勤めている星村幹夫は、何をやってもいつもうまくいかない。会社での営業成績はずっと最下位で、彼女いない歴=年齢。そして、29歳にして未だに童貞だ。「童貞のまま30歳を迎えると魔法使いになる」という都市伝説から、後輩である日野、朝井、東にも「魔法使い」と馬鹿にされる日々を過ごしている。唯一親しくしてくれるのは、会社の同僚である月野だけだった。そしてある日、秋山というとても可愛い女性が入社し、いつしか星村は、真面目で優しい秋山を好きになっていった。しかも、秋山は星村が小さい頃から大好きなヒーロー、ワイルドバージニアの大ファンだったのだ。そして、星村の誕生日の前日に行われた、秋山の歓迎会で事件が起こる。星村は、歓迎会の最中に秋山が上司の小池にセクハラを受けているところを発見してしまう。見かねた星村は、初めて小池に歯向かったものの、そのままボコボコに...
異色のエロティック路線を突き進む吉田浩太監督が、
女と男の下の問題をオカしく笑い飛ばした、
ちょっぴり純でたっぷり愛のこもったすんどめコメディ!
自分が映画を作る動機を考えた時に、自分では出来得ない行動を登場人物にさせてみたいというものがある。自分が出来得ない行動をする人は、行動に移すという事実だけにおいても、どんなにくだらないことをやっていようが、自分にとっては憧れの対象になり、それはさらに尊敬のレベルにも達してしまう。今作の題材つまり「早漏」というものが自序的要素を担っているとは敢えて明言しないでおくが、今作を作るにおいて、そういう映画を作る、憧れのモチベーションはいつも以上に強固にあり続けた。僕はより純化された憧れ尊敬の念を込めて、このくだらない男の映画を作り上げた。
吉田浩太
Coming-of-age story about Sachi, who is fascinated by cosmetics and therefore shoplifts.
冒頭、女子中学生らしき二人が登場し、フワフワとした艶めかしさに軽くリビドーを刺激された。この時点ではヤらしい下心がムクムク。何しろ、江口のりこ主演の『お姉ちゃん、弟といく』('06)や『ユリ子のアロマ』('10)でフェティッシュなエロを追求、眼福を届けてくれた吉田浩太監督の作品だったからだ。
が! 待っていたのは、エロではなく、"ちょいとエエ話"であった。
すなわち、友人をデートに送りだし、ひとり、トボトボと地元の古風な商店街を帰るヒロイン。出来心から万引きをやらかして、店主に見つかってしまうのだが、下心を抱いた、こちらの穢れたココロを思わず恥じたくなるような展開へと進んでい...