心の中に「幻の甲子園」を抱いたまま、社会に出た青年が、青春の夢ふたたびと草野球にのめり込んでいく。野球を軸に結び付き、ひたむきに生きる男たちの姿をさわやかに描く。高木道夫(中村雅俊)は住宅雑誌のフリー記者。中学時代に野球部のエースだった道夫は、30歳になっても野球への夢が捨てきれない。ついにメンバーを集めて草野球チームをつくった。しかし腹の出た中年や野球オンチの寄せ集めばかり。初戦は45対0で大敗してしまう…。「監督には絶対忠誠!」と絶叫する軍隊調のコミカルな監督のもとで様々な対戦相手との試合に挑む。夏目雅子と中村雅俊との駅のプラットホーム(恐らく旧上野駅)での長いキスシーンが印象に残る。青春ドラマの佳編。
莫大な遺産を相続した独身女性に忍び寄る影。女性にとて結婚とは何かをミステリアスに描く。平岩弓枝ドラマ·シリズの第2
3作。結婚を意識した女性の心のゆれをつづた心情ドラマ。外交評論家の加賀利之(山村聪)の秘書.三重子(八千草薰)は、40歳を過ぎても独身。叔母が死に、莫大な遺産を手にした彼女は、納骨するため故郷の五島列島を訪れると、しつこくカメラを向ける男·小谷(高橋悦史)が。また、十年前にプロポ一ズされたことがある佐和木(高橋昌也)とも出会う。その後二度結婚したが、外国で事故に遭い二人とも死に別れたと寂しそうにいう佐和木。不案内の三重子にあれこれ面倒をみて、彼女はすっかり心を許してしまう。一方、小谷はテレビ局の報道部長で、加賀とは知り合いの仲。ルポライタの妻.和子(水野久美)とは別居中で、娘.麻子 と二人暮らし。ある日、和子が海外で日本人の事故を調べて...
昭和二三年、GHQ民政局次長チャールズケージスは新内閣を野党第一党民主自由党を中心とした連立内閣とすることを要望し、総理大臣には民自党幹事長山崎猛が望ましいと伝えた。しかし、党長老松野鶴平の強引な奇策、吉田の側近林譲治の必死の巻きかえし、さらに党総務会における一年生議員田中角栄の大胆な発言などによって形勢は逆転し、一〇月一五日第二次吉田内閣が成立した。吉田は、みずからの勢力を拡大するため議会の解散をはかり、翌二四年選挙において民自党は圧勝、この時以来吉田学校と呼ばれるようになる吉田派は大量の新議員を誕生させる。二月一六日、第三次吉田内閣が発足した。吉田はまず平和条約草案の作成のために外務次官太田一郎を中心とするプロジェクトチームを極秘で結成、太田らは血のにじむ苦難の末、吉田の要求に答える草案を作り上げた。続いて再びマッカーサーと会見、池田...
NHK大河ドラマ第23作。近現代三部作第二部。
"近代大河"の第二弾は時代を少しさかのぼり、日本の女優第一号川上貞奴を中心とする明治から大正にかけての群像劇だ。貞奴に関わる主要人物として登場するは、新演劇の旗手川上音二郎、実業界に名を馳せた福沢桃介、その妻で福沢諭吉の次女房子。彼らが織り成すドラマはそれまでの大河が描いてきた英雄伝としての歴史ではなく、文化や世相の面から時代をとらえた意欲作である。ただ、そのためか日清日露の動乱をはさむ時代を背景にしながらも、視聴者にはいささか地味な作品と映ったようだ。後半には、名取裕子演じる松井須磨子を貞奴のライバル役としてクローズアップし、視聴率回復のてこ入れを図るも効果はなく、一時は視聴率が一ケタ台まで落ち込むという苦い記録を作る。
01 自由は死せず
02 馬上の女
03 遊戯会
04 母と子と
05 ...