政財界のスキャンダルを暴いてきた敏腕記者徳田寧々(森脇英理子)の遺体が、東京スカイツリーの夜景が映えるスポットで見つかった。知らせを受けた警視庁捜査一課長大岩純一(内藤剛志)は、すぐさま臨場する。
彼女は死の直前、インターネットで動画を公開しており、「社会を揺るがすラスボス“GM”の謎に迫るため、直撃取材を行う」と宣言したほか、すべてが公表された暁には捜査一課長が困るはずだと、なぜか警察の関与を匂わせる発言までしていた。GMとはいったい誰のことを指しているのか…! 警察はそのラスボスにどう関わっているのか…! もしや彼女は権力に消されたのか…! 不穏な予感を抱きながら捜査を開始した大岩たちは、事件の夜の目撃証言を入手。被害者は金髪の若い女性と対峙していたことがわかるが、相手の正体は突き止めることができないままだった。
まもなく、殺された寧...
加持信子(斉藤由貴)は、大阪で饅頭屋を営む養父千次郎(川谷拓三)、母玉枝(室井滋)と養祖母ウメ(高山千草)の愛情につつまれて育った。女学校2年のとき、幼いころから憧れていた宝塚歌劇団の入団テストにみごと合格。女学校を退学し、劇団員としての道を歩みはじめる。苦しい練習に耐えかね、同期生たちが次々とやめていく中で信子は耐え抜き、ついに雪組の副組長となった。しかし、折しも太平洋戦争が勃発し、劇場を追われるはめになる。
日本各地を移動する生活、いつまでも劇場のステージに立てないことに信子は不安を感じていた。そんなある日、大映企画部の松永(峰岸徹)から映画女優になるようスカウトされる。覚悟を決めて上京。映画女優として会社からも期待される信子だったが、思い通りの役を演じられず、意気消沈していた。そんなとき、信子は近藤監督(根津甚八)に出会う。初めは近藤を疎...
あでやかな女形の舞台姿と中年男の素の魅力とあわせ持つ人気俳優、梅沢富美男が、そのままの役柄で主演する異色推理ドラマ。
群馬の「藤波一座」の人気スター女形の千代丸、実は刑事が本職という花村杏介が、娘道成寺を踊る舞台で殺人事件にぶつかった。杏介はコンビを組む女性刑事、田所 瞳にも千代丸の正体をひた隠し、二つの顔を使い分けながらの捜査が始まる。
休日だけ趣味の舞台に端役で出ていた花村杏介は、一座のスターが失踪したため急拠、女形千代丸に変身したが、これが大人気。その千代丸が娘道成寺を踊る舞台で、奈落からせり上がる鐘の中から血まみれの死体が転がり出た。死体は失踪中のスター水沢 暁だ。彼の妻をはじめ暁をめぐる女たちの容疑を、実は刑事が本職の杏介は相棒の瞳と調べることになる。
斉藤由貴主演。佐賀、有田を舞台に、夫を殺害された妻が事件の真相を追う姿を、「有田焼」の伝統美や、それを創り出す工程を交えて描いたミステリー。伝統工芸に隠された愛憎劇と、次々に暴かれる夫や恋人の過去。そうした衝撃に襲われながらも、真実を知るために危険に身を投じていくヒロインを斉藤由貴が熱演。共演は清水宏次朗、鳥越マリ、中尾彬、船越栄一郎(現船越英一郎)ほか。1996年作品。
佐賀有田焼の若き後継者であり、陶芸の世界で脚光を浴びている津島悠(船越栄一郎)彩子(斉藤由貴)夫妻の創作した「染付龍文壺」は、東京で開かれた個展の作品群の中で、ひときわ絶賛を得ていた。個展の最終日が近づいたある日、その壺の裏に悠が絵付けした龍と同じ絵が描かれた「玉かんざし」の写真が置かれていた。その写真の裏面には「家族を返せ」という意味不明の文が書き込まれていて、彩子は妙な不安...
アラス力の春、夏はラッコたちが愛を語り合う季節。エミリアも夫とこの時機に出逢った。愛の日々が数日続くとラッコには悲しい宿命が待ち受けている。子供を宿したラッコは夫と別れ、岩礁や水中で新しい生命を生みだすのだ。エミリアも可愛い女の子、エミを岩礁で誕生した。半年後、他の動物と同様にもう一つの悲しい宿命、母と子の別離が待ち受けている。強烈にエミに噛みつくエミリア、子別れの儀式が何日も続くが、エミは母親のもとを離れようとしない。そんな時、密猟者のライフルがエミリアに命中した。アラスカの大自然の中で、幼いながらもひとりで生きる難しさを、身をもって体験していかなければならないエミ。そんなエミを鞭打つかのように嵐が襲う。数日後、少年たちによって助けられたエミは、帰郷の旅を始める。母エミリアから教えられた呪文は、エミに強運をもたらせ遭遇から身を守るだけでなく、旅の心...