博徒中万組の中田万造とグレン隊東京地下警察会長黒岩元が手打ち式を行った日、忍朝二郎は、中万から黒岩を叩くよう依頼されたが、失敗に終り、命を落した。元凶を黒岩とみた忍鉄也、銀二郎、健三の三兄弟は、この手打式の会場に殴りこんだ。その不敵な面魂は、強く中万の胸に残った。十数年のち、中万は関東総代となり、黒岩はグレン隊の大組織東京クラブのボスにおさまっていた。十数年前の手打式も水泡にきして、今は暗黒街で牙を競い合う中万と黒岩。そんな中万が九州榊組で鉄也、銀二郎、健三の兄弟に再会した。折りしも、中万の長男勝雄が人気歌手三条早苗のアトラクションをやろうとして黒岩組の手で邪魔だてされた事件がもちあがっていた。この処理を頼まれた兄弟は彼らの父の通称であった「成金一家」の再興を条件に、黒岩傘下のシマを次々と奪っていった。黒岩組にとっては今や勝雄に代ったこの兄弟の存在が...
復興途上の頃の沖縄。戦災で亡くなった両親の後を継ぎ運送会社を経営する与那嶺ゆりは、母親の郷里新城村落の悲惨な状況を知り立て直そうとする。しかし、悪らつな岩松組は村落にあるスクラップに目をつけて妨害を仕掛けてくる。東京でイザコザをおこして沖縄にやってきたやくざ中上鉄は岩松組の客分として迎えられるが、岩松組の卑劣なやり口に反発し、ゆりに力を貸す。