日本を一周する「旅号」ツアーに参加した19名の乗客が、次々に不審な死を遂げる。この事件が大物代議士秘書殺害事件と関連があると見た十津川警部は部下をツアー客の中に潜入させて捜査を指示する。乗客を恐怖に陥れた謎の連続死の裏に隠されている、巨大な陰謀とスキャンダルとは何か!列車を乗り継ぎ、10日間で日本を一周する「旅号」ツアーの男性客が西鹿児島に向うブルートレインの車中で変死する。十津川警部(若林豪)は数日前、大物代議士三田(内田朝雄)の秘書が殺害された事件がこの「旅号」と結びついているとみて、部下の亀井(坂上二郎)と鈴木(本田博太郎)両刑事を鹿児島に送り込む。亀井たちはツアー客としてツアーに潜入するが、鹿児島でも京都でも、男性客が次々に事故死する。やがて、東京で捜査していた山本刑事(下川辰平)が死んだ3人の男の共通点を洗い出す。
休暇を利用して四国地方を旅行中の日下刑事は、特急「しおかぜ5号」の車中で殺人事件に遭遇する。お遍路姿の被害者は、一代で数百億の資産を築いた銀行会長徳大寺正之と判明。正之は、百億円の使途不明金問題が明るみに出てから行方をくらましていた。やがて重要参考人として正之の秘書伊吹君子が浮かび上がる。
山本刑事の娘真紀は、南紀の上田城町に帰郷している婚約者の中西に会うため、東京発のブルートレイン「出雲3号紀伊」に乗車するが姿を消す。車中には「ユミコノウラミ」となぐり書きされた真紀のコンパクトだけが残っていた。ユミコとは、中西が10年前に関わった婦女暴行事件の被害者の名前だった。当時高校生だった中西は、上田城町の町長の息子が起こしたレイプ事件の罪をなすりつけられ、町を追われた。
関西電力株式会社の35周年を記念して東映アニメーション(当時は東映動画)が受注制作したPR用長編アニメ。巨匠松本零士の原作や総設定のもと、電力をテーマとした宇宙の物語がつづられる。
やがて訪れる未来。日本の優れた技術力は水星軌道の内側にセントエルモこと人工衛星を作り出すまでに至った。セントエルモは太陽光で動く宇宙発電所だ。だがそんなセントエルモに異常が発生。これを知った有紀たち少年少女7人が調査に向かう。
本作は前述のとおり当初はPR用作品としての流通だったが、87年の11月には一本のOVAとしてもリリースされ一般にも容易な視聴が可能となった。監督には東映動画の名演出家勝間田具治、作画監督はアニメーターの山口泰弘らが担当している。