オレは約1年ぶりに京都の実家に帰ってきた。大学は出たが、子供の頃から好きだった映画の世界に進みたいと思いながら、フリーター生活を送っている。
母は中学生の頃、父は3年前に亡くなった。父は男手一つで子供たちを必死で育てた。父が残した家を姉が守ってくれていたのだが、結婚が決まり、更に夫の海外出張が決まったため、姉はこの家を売ろうと思うと告げた。オレは父の遺品から「思いでの記」と題されたノートを見つけた。そこにはオヤジの恋の思い出が記されていた。
23歳の父。若い頃から映画が大好きな父は、 ある日映画館で勇さんという年長の男性に体を触られる。慌てて映画館を出てきた父を追いかけてきた勇さんと出会い、初めて男性との接触を体験した。その後、父は勇さんを誘って歩く中、手を繋ごうとするが、勇さんは周囲の目を気にしそれを跳ね除ける。父の恋は儚く散った。
それから父は行...
ホテルの一室で、金髪ウィッグにゴスロリ姿の日奈が、介護企業部長の増川にM字開脚で責められている。首を絞められ、歓喜の表情を浮かべていく日奈がイク瞬間、増川の視界が歪む。辺りを見回すと、謎の人影が立っていた。
奇怪事件捜査研究所、略称奇総研。新人だった真紀はキャップへ昇進し、一平や本郷の上司となっていた。彼らは増川死亡の捜査を始めた。心臓発作での事故死に見えたが、倒れるところを偶然目撃した一平には、増川が誰かに襲われる幻覚を見たように見えた。真紀は企画開発部員の木島博士に注目する。
一平が木島邸を訪ねると、ヘルパー兼メイドの日奈が出迎えた。無表情に花を踏み潰して歩く彼女に、一平は違和感を覚える。気難しい性格の木島は体が麻痺し、喋り方や歩行も不自由な状態だった。これで人を殺せるはずがないと、一平はたかをくくる。
ホテルの一室で、社長重原があられもない...
裕子は達夫との結婚を間近に控えていたが、達夫は交通事故で亡くなってしまった。残された裕子は傷心のまま、親が残した借金と妹の学費のために高級クラブのホステスとして働いていた。店ではその容姿と明るい接客で人気ナンバーワンで、達夫もそんな彼女に惹かれプロポーズしたのだった。同僚の明美は裕子の人気に嫉妬し、自分のお客を奪われたことで強い憎しみを抱いていた。
達夫の葬儀に裕子の妹弘美と、その恋人吉岡が訪れた。武道の恩師桐野は、交通事故で両親を亡くし、今度は恋人まで亡くすという悲運に見舞われた裕子を、今はただ抱きしめてやることしか出来なかった。
借金の形に両親を事故へと導いた金融会社社長鮫島が店に現れた。彼は裕子を気に入っており、自分の愛人にしようと画策していた。鮫島のあまりの傍若無人ぶりに裕子の堪忍袋の緒が切れ、彼に手を上げてしまう。鮫島は裕子に強い恨...
占いが出来ない占い師松ノ木あゆみ。催眠術がかけられない催眠術師マキ。霊感が全くない霊媒師茂子の三人はハッタリの特殊能力グループ『ヒールズ』を結成。様々な事件に立ち向かう。