大阪冬の陣、そして夏の陣を巡る豊臣勢の壊滅を狙い、天下統一を目指す徳川家康に挑む真田幸村とその十勇士たちの姿を描く。『柳生一族の陰謀』の流れをくむ東映大型アクション時代劇だが、冒頭の大隕石シーンをはじめSFXを多用。内容的にも、真田十勇士を超能力者として扱うなど破天荒な色合いが強い作品。
真田幸村(松方弘樹)は家康(萬屋錦之介)の首を狙っていたが、逆に家康の企てに嵌められる。そんな幸村だったが、家康の弾圧を受ける諸国の民達を代表するかのごとく、霧隠才蔵(寺田農)、猿飛佐助(あおい輝彦)ら真田十勇士が集うことに。時を同じくして、豊臣家の滅亡を狙う家康が大阪冬の陣、夏の陣への謀略を巡らせて…。
早朝5時、大阪通天閣を朝日がさす頃、総会屋の端くれである中江宏は、大平重工の総務部へ出かけ整理券を貰う。会社の始る9時から整理券の順番にそって総務部に出向き、手当を貰う。宏は、そういう付き合いの中から“貰いつづけて30年”〃と自称する古い万才屋乃木万太郎と知り合い、総会屋の手ほどきを受ける。総会屋だけでは食えない宏は、合間に三味線とハンバーグの材料にする猫捕りを手伝っていたが、その縁で暴力団寺岡組の若い衆で、宏とは同郷の奥田寛次と親しくなる。大物総会屋への野望に燃える宏、日本一の組長をめざす奥田の2人は連係を約する。奥田の腕力と、乃木の協力を得た中江は、関西で実力一の総会屋神野と対決し、浪花相互銀行を事件にし、その熾烈な戦いで乃木は死んだ。やがて、頭取の不正融資をネタに三千万円脅し取った宏は、東京に進出し。
東京の下町を舞台に魚河岸で働く気っぷの良い男梶木勝男の活躍を描く人情喜劇。お祭り狂いの勝男が、不治の病に冒された娘久美に、祭のミコシを担せて、最後の楽しい思い出を作ってやるという内容。プログラムピクチャーの雄鈴木則文の作品で、楽しく見られるドラマ映画。
時は大正時代。草間温泉は湯元の縄張りをめぐって鳴子組と鬼頭組が対立していた。通称壺振りの勝、貴島勝次と岩木五郎の二人組が鳴子組に草鞋をぬいだのはこんな時であった。勝次は生き別れの母を捜して、北海道から上州までイカサマ旅を続けているのだ。ある日、勝次のイカサマを鳴子組の代貸清滝勇吉が見破った。しかし勇吉は勝次が母を慕う気持を知ると責めるのをやめた。勇吉は鳴子組の親分治三郎に拾われ代貸しにまで育った身であった。勇吉が勝次を身内の反対にもかかわらず救えたのは、鳴子組の客分藤上栄次郎の後だてがあったからであった。勝次は勇吉のはからいで母を捜して東京に発った。だが夢にまで見た母は、立派な呉服屋の内儀におさまり、勝次を冷たく追い返した。一方湯元を卑劣な手段で手に入れようとする鬼頭組々長鉄五郎にとって、一徹な治三郎は目の上の瘤であった。こんな時に勝次のイカサマを聞...