製作: 山田剛史 監督: 瀬々敬久 プロデューサー: 江尻健司 撮影: 斎藤幸一 出演: 井川遥
“神々の楽園”バリ島ロケによる、井川遥のイメージ作品。人魚伝説をモチーフに彼女の魅力を映画タッチに引き出している。
瀬々が講師を務める映画美学校の企画で製作された短編。第5期フィクションコース高等科の受講生齋藤有希の脚本を瀬々が加筆し、演出。主演は「トーキョー×エロティカ 痺れる快楽」などの佐々木ユメカ。キャバ嬢、放火魔、スパイ、宇宙人らが織り成すSFピンク。
京都大学在学中に製作した16ミリの自主映画。東京で事件を起こし逃げてきた中年ヤクザ、右翼少年、母親の原風景である一面が菜の花の河原を探している少女の逃避行を描く。ヒロインは「課外授業 暴行(羽田へ行ってみろ、そこには海賊になったガキどもが今やと出発を待っている)」「獣欲魔 乱行(青空)」と同じモモであり、その後の初期作品との関係性が伺える。
帰省して撮影した国東の家族のホームムービーと、幼い時に家を捨てて出て行った母の生まれ故郷の日田、そして当時住んでいた京都の風景を編集した自主映画。瀬々が語りとハーモニカ、友人の佐藤英樹がギターを担当するライブ形式で二台の映写機で上映した。
松本大洋の漫画「鉄コン筋クリート」の世界をベースに、自由気ままに奔放な毎日を送る少女カラスとカモメの姿を神話的な物語へと昇華させた一編。レジャー施設も少ない頃の臨海副都心の不思議な近未来的風景の中、漲る生命力の葛藤と闘いを力強く描出している。
中上健次の『荒神』を原作に、陰鬱な冬空の下、精神の奥底に澱む暗い衝動に突き動かされた男の破滅的な生を、89年に『最新ソープテクニック』で監督デビューを果たした上野俊哉監督が衝撃的に描き出すエロティックドラマ。瀬々敬久の脚本による重厚な物語世界を余すところなく映像に漲らせ、その手腕が高く評価された出世作。仏壇の飾り花を作る工場で働く妹と肉体関係に陥って堕胎を繰り返し、愛するが故に絞殺してしまうタイチ。その記憶に呪縛されたかのように、過去と現在が交錯し、理由もなく殺人を続け、故郷の雪山を訪れる。そして、妹に似た少女娼婦レンコにも手をのばし。