戦後の新宿。混乱と再生の息吹が交錯するこの街で、誰もが知っていた伝説の男二人がいた。その名も加納貢と安藤昇である。どこの組織にも属さず自分の流儀に誇りを持って時代を生きている男たちに愚連隊の龍やホシケンら憧れる者は多い。度外れた腕っ節で喧嘩に道具を使ったことはなく、外見は至って穏やかだがいざとなると相手が誰だろうと決して尻尾をふらない、そんな加納の評判は当時新宿を仕切っていた津村組の津村治兵衛の耳にも届くほどだった。この頃関東曽根一家の親分曽根剛三は密かに新宿進出を企んでいた。曽根は関西極道の黒田を新宿に送り込み、縄張りの切り崩しを謀る。盛り場のあちらこちらで不穏な暴力事件が相次ぎ、新宿で稼業していない加納や龍グループまで、曽根と黒田の仕掛けた混乱に巻き込まれていく。
ここ“桐ヶ丘中央商店街”にも不況の波が押し押せてきた。大手スーパー“エンゼルA”が資本力をバックに進出してきたのである。1軒、また1軒と“エンゼルA”の圧力に屈していく商店たち。そこでついに元暴走族の強面ぞろい、“桐ヶ丘中央商店街”の二代目店主たちが立ち上がった!地元商店街を守るため、彼らの“地域振興”大作戦が始まった!!
大手スーパー“エンゼルA”との共存を歩み出した桐ヶ丘中央商店街に一軒のスナックがオープンした。ママは何と“二代目”たちの幼馴染、明美だった。色めき立つ二代目たちだったが、実は彼女は“エンゼルA”の手先だった。そして桐ヶ丘中央商店街を狙う奴らは、予想もしなかった卑劣極まりないやり方で再び仕掛けてきたのだった。