原作は山口瞳の第48回直木賞受賞作。原作では主人公は電機メーカーに勤める宣伝部長だが、映画では洋酒メーカーの宣伝部員(山口瞳が当時サントリー宣伝部に勤めていた)に置き換え、主人公が直木賞を受賞するまでを描いている。それまで男性アクションで定評があった岡本喜八が、この1作で戦中派の屈折した心理を見事に捉え、本格的に評価された。ストーリーは、洋酒メーカーの宣伝部員というしがないサラリーマンの“才能のないだらしない奴が一生懸命生きること“の大変さを、自分史や戦後史と重ね合わせながら描く。岡本の演出は、主人公と妻との若い頃のロマンスを、「残菊物語」にたとえて、下駄と靴だけの合成アニメーションで描いたり、父親の事業の盛衰を書き割りのセットやアニメーションで描いたりと自由奔放をきわめる。また主人公の背後にいる同僚をストップモーションにして、カメラの背後でもう一人...
吉武一、佐田猛達予科練の第一班には、歴戦の勇士で訓練の厳しい足立上曹が班長となっていた。吉武の父は応召し、母は父がもと働いていた家に住んでいたが、その家の女学生みどりは、吉武を秘かに愛していた。佐田は感化院にいた元不良少年で、面会に来た院長から後輩が托した腕時計の贈物をもらったが、次に敗戦を予知してやけな行動をとり、吉武と常に対立した。その果に彼は砂糖を盗んで班長に罰せられ、翌日無理して短艇競走に出場して死んだ。吉武はモールス通信競技の代表に選ばれ、勝てば二日間の休暇がもらえて、愛するみどりにも会えると、一心に練習を続けた。ところが応召した父が死に、みどりは挺身隊に出て脚を負傷したとの手紙を受取った上、さらにみどりの写真を班長に発見され、眼の前で焼かれてしまった。それらの打撃と身心の疲労で、モールス通信競技も失敗した。万事休した彼は、その夜脱走して母...
北满洲,梶等残败兵一个劲儿地向南逃。途中遇到逃难的男女老少,虽然帮助他们,但因饥饿疲劳一个个相继死去。梶历尽艰辛来到还残留着日本老人和女人的开拓村,他准备在这里和苏军作战,但是日本女人高喊“别在这里打仗了!”之后,他们开始了俘虏收容所的生活。梶对收容所里桐原这 个卑劣小人,恨之入骨。之后,他又被诬告,被罚作苦役。在森林中忍受苦役后,回到了收容所。当得知自己保护过的弱兵被桐原杀了后,且没被问罪,梶绝望了。他杀了桐原,然后逃出了收容所。他在大雪漫漫的荒原中流浪,念叨着妻子的美好,渐渐地冻僵了。