近藤周斎が江戸新宿に開いた試衛館道場は、周斎の養子勇や土方歳三らの剣客を抱え、その天然理心流の強さは江戸市中に鳴り響いていた。門弟の中でも早くから天才と言われた沖田総司が免許皆伝を受けたのは20歳のことだった。ある夜、勇と歳三は総司を連れて強盗を捕まえ、賞金を稼いで試衛館の食費の足しにしようとした。だが、この時、総司は誤って強盗の一人を斬り殺してしまう。初めて人を斬って動揺する総司を、歳三は吉原へ連れて行った。そこで総司は思いがけない女と再会した。3年前、役人に追われているところを助けてやった、いしが遊女となって妓楼の中にいるのだ…。
《脱狱广岛杀人囚》、《暴动岛根刑务所》和《强盗放火杀人囚》并称为“松方弘树脱狱三部曲”。
大阪霞町で内縁の妻幸代と飲食店を経営していた緒方竹見は、店に因縁をつけたやくざを殺傷したために、懲役7年の判決を受け、南大阪刑務所に服役していた。印刷工の班長として模範囚だった緒方は仮釈放が認められたものの、なぜか身柄引受人である幸代が書類に判を押さず、仮釈は取り消しとなった。不審に思った緒方は脱走を試みるが、看守課長の菊地に見破られ掴まり、凄絶なリンチを受ける。かつて緒方に命を救われたことのある黄の義兄にあたる文の計いで外に出た緒方は、菊地の女房敏子を人質に幸代と対面した。やはり、幸代は暴力団に強迫されていた。一流大学の入試問題を印刷していた緒方が、元暴力団員の前河の命で、問題用紙を横流ししているために、彼が娑婆に出られては困る前河の黒幕が秘かに手を廻した...
関西の四天王寺を庭場にもつ三輪会の若衆ぶら金は、テキヤ修業を続け東京へとやって来たが、“ネタ喰うな”の禁制を破り途方に暮れていた。事情を知った菊水会の若衆、国分は大阪へと旅立った。大阪へ着いた国分は早速、ぶら金の使い込んだ、ネタの代金を届けるため三輪会帳元、朝比奈六を尋ねた。国分の話を聞いた六は、ぶら金をかばう国分の心意気に打たれすっかり惚れ込んでしまう。そして六は、国分を一人娘の夏子の婿にと心に決めるのだった。三輪会は大阪の露天商に絶大なる人気を集めていた。だが世相が変ってくると共に最近では、暴力団あがりの黒金工業社長が千成組帳元東条と共謀し、三輪会の庭場を横取りしようと企んでいた。数日後、黒金と東条は六に三輪会の庭場にヘルスセンター建設の話をもちかける。露天商の生活と保障を条件にその建設計画に同意する六。そんなある日、六の実子で今はテキヤ馬賊鉄也...
錣市兵衛のもとに、野洲黒羽領榎村の百姓新八が助けを求めてきた。領主大関佐渡守の悪政に、名主榎太左衛門らが一揆を起こし、助力を求めて来たのだった。市兵衛は早速、陽炎、鬼塚隼人、望月弥太郎らと野州へ乗り込んだ。一揆軍の陣地に案内された市兵衛は、かつて戦った敵将で、浪人の別所四郎五郎に再会した。他に、朝海十蔵、岩下甚内、桜井源八らの賞金稼ぎの一味も加わっていた。翌朝、降伏を強要する敵の軍使の陣笠を朝海が射抜いたことから、戦いの火蓋は切られた。市兵衛は、連発銃を乱射し、敵をけ散らした。あわてた黒羽城側では、主水らが市兵衛の銃を奪い取ろうと作戦を立て、那須音平ら三人が、特命を受けた。一方、砦内では、朝海と岩下が市兵衛の寝首をかき、それを土産に、城側に寝返ろうとした。身代りに、百姓女おもんが死に市兵衛は、二人を斬った、そのスキに、忍び入った那須音平らが、連発銃...
九州の直方は、真海の生まれ故郷。真海は母の供養を兼ねて、直方に帰る旅の途中で若松に立ち寄ると福岡の黒田一家の賭場に顔を出した。真海は幼なじみの会津竹五郎のいかさまが制裁されようとしているところに出くわす。真海のおかげで許された竹五郎だが、自ら手を潰し真海の好意に逆らった。親分の仇を討とうと真海を追ってきた四国宇和島鯉沼一家の伊之助たちは、この賭場の様子を見て竹五郎を誘い出すと金で仲間に引き込み、直方の権田原一家に草鞋を脱ぐことに。一方真海は、直方で竜王一家と権田原一家の二つのヤクザ組織が争うために苦しんでいた川人足たちを救おうと起ち上がる。一度は川人足の待遇改善を双方に納得させたものの今度は手を組んだ権田原と竜王が約束を反故にし、真海を消そうとする。ある日、ダイナマイトで目をやられた真海は、意外にも宿敵である了達に救われる…。