老政治家里見は参議院選挙に立候補した。彼には洋画家西脇と結婚した和子、鉄工所長坂口に嫁した正子、雑誌記者谷川と結ばれた章子、それに俊雄の四人の子がある。娘たちは夫を連れてそれぞれ集ってきた。料亭竹水が選挙事務所にあてられた。その女将千代は里見と満州時代から関係があった。里見が当選したら本妻の座になおろうと思っている。坂口なども商売上のルートをつかもうと思って応援する。里見の旧友で政治ゴロになってしまった佐藤も何がしかの金が目当てで訪ねてきた。俊雄は父のすすめる政略的な結婚をきらい、恋人の純子の近所に室を借りた。和子と西脇の夫妻は純子に会い、すっかり気に入り内証で彼女を選挙の事務を手伝わせることにした。佐藤は事務の田中に里見の昔の女リツとの関係をもらした。谷川は田中からその話をきき、それを選挙の相手方に売った。キャバレーの踊子カオルとの手切金に困ってい...
この作品は、松竹設立三十年を記念して製作されたもので、往年の名作を「二十数篇」紹介するという内容である。はじめこそ翠声や雷遊の解説が入るが、後のほうになると、名場面をつなぎあわせただけのスタイルになっている。
それに、映画のタイトルがすべて表示されるわけではないので、わかりにくいところが少なからずある。衛星劇場の内容紹介欄には、「代表的な松竹映画二十数篇を選び」とあるのだが、いくら数えてみても、「二十」ちょうどにしかならなくて、それもあっているのかどうかわからない。作品リストを示したサイト等がないので、とりあえず、映像に出て来る役者とともに作品名をあわせて掲げておく。
誤っている箇所に気づいたら、随時訂正する所存である。
五所平之助『伊豆の踊子』(1933)
田中絹代、大日方傳。辯士は錦波。
斎藤寅次郎『珍説 高田の馬場』(1927)
森野五郎。ほか...